更年期の骨粗鬆症対策に必要な栄養素がビタミンです。
多く含む食材や、最適な摂取量、簡単な摂取方法をこちらでご確認下さい。
まず、ビタミンDというものは一般的な栄養素に比べると、少しマイナーな印象なのではないでしょうか?まずどのような栄養素なのか簡単に紹介します。
ビタミンDは脂溶性ビタミンという水よりも油に溶けやすいビタミンであり、ビタミンAも脂溶性に属します。魚や卵、きのこ類に多く含まれていて、免疫力の低下を防いだり、最近ではダイエットにも効果的な成分として、注目されています。
では、更年期障害にどのような改善をもたらしてくれるかというと、更年期障害に起こる症状とはでご紹介させていただいた骨粗鬆症に対しての改善栄養素になります。
骨というとビタミンDよりカルシウムを想像しますが、実はそれだけでは骨が生成されません。女性ホルモンとビタミンDがないと、上手く骨の新陳代謝ができなくなり、脆い不健康な骨になってしまいます。
口から入ったカルシウムは一度腸に吸収されるのですが、その吸収するタイミングでビタミンDが必要となります。体内のビタミンDが少ないと、カルシウムをどれだけ摂取しても、骨がもろくなってしまうという事ですね。
さらにもうひとつ大事なことがあります。カルシウムはもともと血中にも1%ほど存在しており、神経や筋肉、興奮の伝達を行うという非常に重要な役割を担っています。カルシウムは摂取しても尿と一緒に排出されてしまうので、摂取したカルシウムは骨や血中に蓄えています。
しかし、血中のカルシウム量が足りなくなると、副甲状腺ホルモンというホルモンが骨を溶かして血中のカルシウム量を保っているんですね。ビタミンDが不足することによって、副甲状腺ホルモンが過剰に分泌され必要以上に骨を溶かしてしまいます。
すなわち、ビタミンDがないと、骨が作れないし骨を溶かしてしまうという事ですね。
骨粗鬆症にならない為には非常に重要なビタミンDですが、日本人成人の70%以上がビタミンD不足ということです。更年期の末期になると骨粗鬆症になる方が増え簡単に骨折する事もあります。骨粗鬆症は見た目のわかりやすい症状はでないので、患者さんも危機感がなく、足りないと分かっていて改善指導を行っても食生活が続かないと言う事がよくあります。
まだまだ先の話とお考えだと思いますが、老後骨折をして寝たきりになってしまうという事も少なくはないので、今から少しでも意識してビタミンDの摂取に努めてみてはいかがでしょうか?
ではこのビタミンDはどれくらい摂取すればいいのでしょうか?
1日上限の摂取量 | 50μg |
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内サプリでの上限摂取量 | 30μg |
食事摂取基準2010によると、30歳~69歳の摂取目安量は5.5μg、上限摂取量50μgと言われておりその内サプリメントでの摂取上限は30μgと言われております。摂取量は骨粗鬆症を予防する本当に最低限の数値であり、基本的に日本人成人の70%はビタミンD不足ですので、安定的に上限を目指した食事の摂取をするべきだと私は思います。
食材名 | 摂取量 | 含有量 |
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鮭 | 約100g 1人前 | 33μg |
まぐろ | 約100g 1人前 | 18μg |
干ししいたけ | 約100g 1人前 | 17μg |
しらす | 約30g 1人前 | 13.8μg |
卵 | 約30g 1人前 | 1μg |
大豆イソフラボンと同じく、入手しやすくて、かつ効率的に摂取できる食材をまとめてみました。どれも大体、1人前を目安にした摂取量に対する含有量になります。50μg摂取を目指した場合、毎日マグロを約3人前、卵だけだと50個食べないといけない計算になりますね。
食べ物だけでの達成なら、中々厳しいのですが、他の栄養素と違うことがあります。
それはビタミンDは皮膚に紫外線が当たるとコレステロールの一種を材料に体内で合成されるのです。私も専門外なので知らなかったのですが、国立環境研究所と東京家政大学の研究チームによると、1日5.5μg生成する為には、紫外線の弱い冬の12月の正午に、つくばで22分間日光浴をすれば問題ないという事です。もちろん、日焼け止めを付けたり、長袖を着ていては駄目なんですけれども。
冬に日光浴という多少の補助があるにせよ、やはりきっちり食事を食べることが大事ですね。ビタミンDが摂りやすいレシピを書いてみましたのでぜひ参考にしてください。
食品、レシピの追加だけではなかなかビタミンDの摂取は難しいと感じている方も多いのではと思いますが、わざわざ一品作るのではなく、いつもの食事に一手間加えるだけで吸収を増やすこともできます。
まずビタミンDの脂溶性ビタミンという特性を活かして効率的に効果を上げる方法があります。脂溶性ビタミンということは、油や肉など脂質を含むものと合わせると吸収率が良くなるのです。例えばしいたけ、エリンギなどは炒めたりするなど油で調理すると吸収率がアップするのでおすすめです。
また、ハンバーグを作る時にも一手間加えてビタミンD摂取を意識しています。それは、ハンバーグなどの肉ダネに細かく刻んだきのこを混ぜることですね。肉の脂身でビタミンDの吸収が高まるうえ、かさが増し、満腹感も得られます!
そしてしいたけを調理する際も一手間を加えます。しいたけにはエルゴステールという成分が含まれており、紫外線に当てるとエルゴステールはビタミンDに変わります。ですので、生のしいたけを買ってきたら2~3時間日光に当て、ビタミンDを増やしてから調理する様にしているんですね。
この様に、こつこつではありますが、ビタミンDを摂取していく事は可能です。純粋に食材を食べて摂取するのももちろん重要ですが、出来る事を少しずつおこない、それでも足りないとお考えの方はサプリメントを摂取するなどして今から骨粗鬆症対策を行いましょう。
更年期障害対策で必ず摂りたい3大栄養素
3大栄養素その1~大豆イソフラボン
大豆イソフラボンがよく摂れるレシピ
ビタミンDがよく摂れるレシピ
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葉酸がよく摂れるレシピ
更年期障害対策の為のサプリメント摂取について